不登校は減ったが自殺増加 文科省生徒指導上の諸問題
小中学校の不登校は減少したものの、子どもの自殺が5年ぶりに増加したことが、文部科学省が昨年末に発表した、2003年度の「生徒指導上の諸問題の現状について(概要)」で分かりました。
この調査は、文部科学省が各学校を通じて毎年実施しているもので、8月に速報が発表され、詳細が12月に発表されます。不登校や暴力行為については、すでに速報で発表されており、今回発表されたのは、自殺と出席停止、相談機関の設置状況、体罰について。
| 区分 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
| 総数 |
166 |
139 |
143 |
133 |
192 |
163 |
147 |
134 |
123 |
137 |
| 小学生 |
10 |
3 |
9 |
6 |
4 |
2 |
4 |
4 |
3 |
5 |
| 中学生 |
69 |
59 |
41 |
41 |
69 |
49 |
49 |
37 |
36 |
34 |
| 高校生 |
87 |
77 |
93 |
86 |
119 |
112 |
94 |
93 |
84 |
98 |
|
公立の小中高校生の自殺者は137人(小5人、中34人、高98人)と、2002年度から14人増加。とくに高校年齢での増加が目立ちます(小2人増、中2人減、高14人増)。
原因別(主たる理由)では、「家庭事情」が12.4%,「精神障害」が8.8%,「厭世」が5.1%,続いて「学校問題」が4.4%などと、学校以外の原因がほとんどを占め、特にいじめ自殺は4年連続でゼロでした。
一方、警察庁が発表した、2003年度中の小中高校生の自殺者は、318人(小10人、中83人、高225人)と2倍近く、学校を通じた調査の限界も示しています。
教育相談機関は減少 件数は増加
教育相談機関の設置状況は、都道府県・政令指定都市教育委員会所管の機関が227カ所(前年度比8カ所減)、市町村(政令指定都市を除く)教育委員会所管の機関が1,973カ所(同5カ所減)と減少。
教育相談員は都道府県等1798(同10人減)、市町村5512人(338人増)、うち常勤者の占める割合は都道府県1.9%(0.2ポイント減)、市町村21.2%(1.5ポイント減)と、「リストラ」が進んでいます。
その一方で、これらの相談機関に寄せられた相談数は、都道府県関係が19万2097件(前年比1万1208件増)、市町村関係が71万3203件(同(7万3106件増)と、それぞれ6%、11%増加しており、増え続ける教育相談ニーズに対する教育行政の対応は、事実上後退しているといえます。
教育相談の内訳は、不登校に関する教育相談件数が、小学生、中学生及び高校生に関する教育相談件数全体の37.6%を占め、前年度から6ポイント増加しました。不登校に関する教育相談件数は、2003年度までは3年連続で減少していましたが、今回増加に転じました。
教育委員会が設置する教育支援センター(適応指導教室)は全国で1096カ所で、前年度から65カ所の増加。指導員数も232人増えて3457人(うち常勤者は25.7%で前年比0.7ポイント減)。ただし、その利用状況は1万5026人と1割程度にとどまっており、教育センター等他の教育相談機関を含めても、3分の1が利用したに過ぎず、多くが公的支援・相談機関を利用していないのが実情です。
体罰処分者は過去最高
保護者や児童生徒から訴えや報告のあったものを含め、体罰ではないかとして公立の小・中・高等学校及び特殊教育諸学校で事実関係を調査した事件は938件(前年度954件)と、前年度よりわずかに減少したものの、発生学校数は835校(同829校)、事件に関与した教員数980人(同968人)と増加。
同時期に発表された、「平成15年度 教育職員に係る懲戒処分等の状況について」によると、体罰により懲戒処分された教員数は173人(訓告・諭旨免職を合わせた処分総数494人)と過去最高を記録しました。
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[2005/01/26更新]
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