千葉と和歌山で2つの全国集会 1500人が学びと交流深める
8月28・29日の両日、2つの不登校の全国ネットワークがそれぞれ全国集会を開き、あわせて1500人が、学習と交流を深めました。
子どもを理解して守ること―内田良子さん講演
このうち、千葉県成田市で開かれた、「登校拒否を考える全国夏合宿2004in成田」(主催:登校拒否を考える全国ネットワーク)、「全国子ども交流合宿・フリースクールフェスタ」(主催:特定非営利法人フリースクール全国ネットワーク)は、全国から子どもと大人678が参加。
オープニングの後、「モモの部屋」主宰でカウンセラーの内田良子さんが、「登校拒否・不登校・引きこもり」−子どもの居場所を考える−と題して記念講演。
「最近、あちこちに専門家が林立しているが、ほとんどが高い所から見下ろし、子どもを操作する対象としか見ていない」と批判し、「本当の専門家は、子どもであり、その親ではないか」ときっぱり。
文部科学省がこれまでとってきた不登校「対策」については、「誰にでもおこりうる」と見解を変更して以後も、「早期発見、早期学校復帰」の方針は全く変わらないと断言。専門家会議の報告を受けて、上からの圧力で、無理やり数を減らすような対策が増えている中で、苦しみながら学校に行っている子どもが問題だと指摘しました。
また、学校に行っていない子どもは、行かない理由や状況はさまざまだが、自分がしっかりしていて、納得いかないとテコでも動かないが、自分が必要とすることは石にかじりついてでもやり通すという特徴があると分析。
「とてもつらかったことや親が加害者であったことをわかってほしい」という子どもの声を紹介しながら、「子どもを見守るということは、子どもを理解している人が子どものありのままの状態を守ること」だとして、子どもを理解することの大切さを訴えました。
子どもが語る「不登校と学び」
2日目に行われた、「不登校と学び」についての親子のシンポジウムでは、学校に行っていなかったときの「学び」について、不登校を経験した子どもと親がそれぞれに発言。
「やらされる勉強は苦しいが、目標があるとどんどん身に付く」「知りたいという気持ちが学びの原点」で、「学びとは、自分を発見する、自分を解放すること」という長井岳さん(28)は、中学生のとき、本を読んでヨーロッパに行きたくなり、英語を勉強。
それまで全く読むのも書くのもできなかったのに、すらすら読めるようになりました。今は、シューレ大学で、自分の不登校体験と「学歴社会の価値の内面化」を研究中。
「自分と対話をするのがとても勉強になった」という武田輝理さん(17)は、小学校の入学式から行かなくなり、フリースクールにも行かず家庭で過ごしてきて、今はNPO法人ネモネットちば不登校ひきこもりネットワークの通信の編集長をしています。
学習の不安については、「親が不安をもっていなかったから自分も不安を感じなかった」といいます。「毎日が楽しい。生きてて良かった」と明るく語る一方で、他人の気持ちを考えすぎてしまところがあり、このままの自分でいいのかと不安になることもあるという悩みも。
資格を取るための「勉強」は、必要になったらできるという田口直子さんは、高卒・大検資格が不要の通信制短大で保育士の資格を取得。公立保育園で働き、仕事が楽しくて楽しくて仕方がないという毎日を送っています。
中3から東京シューレに通うようになり、毎日愉しそうにしていても、「みんなから遅れている」「1年分の勉強は1年かけないと追いつけないのではないか」との不安がなくならなかったといいます。
「合宿」では、ほかにも親シンポジウムやテーマ別の分科会などが例年通り開かれたほか、子どもがすべて企画・準備した、「全国子ども交流合宿・フリースクールフェスタ『ピース』」が平行して開かれ、大人も子どももさまざまな出会いと交流を広げました。
子ども不在の教育―植田健男さん講演
一方、和歌山県白浜温泉では、「第9回登校拒否・不登校問題全国のつどいin和歌山」(主催:登校拒否・不登校問題全国連絡会)が、子ども、親、教師、専門家などのべ735人が参加して開かれ、記念講演や分科会が行われました。
記念講演を行った植田健男名古屋大学大学院教授は、「子どもが何を学びたがっているかを考えずに、ただ競争を強いる、子ども不在の教育になっている」と、今日の教育を分析。学校は、試験勉強だけでなく、仲間との出会いやふれあいの場であるべきだと強調しました。
来年は、「登校拒否を考える全国夏合宿」は栃木で、「登校拒否・不登校問題全国のつどい」は千葉で、それぞれ開かれます。
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[2004/9/1更新]
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