不登校経験者が芥川賞受賞
金原ひとみさん(20) 「蛇にピアス」
金原ひとみさん
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1月15日に発表された、第130回芥川賞(日本文学振興会主催)に、綿矢りささん(19・大学生)と、小学校4年生から不登校だった金原ひとみさん(20)が選ばれ、話題を呼んでいます。
このうち金原さんは、全身にピアスをしたり、舌の先端を裂く「身体改造」を施し、生の実感を得ようとする19歳のフリーター女性ルイを描いた、「蛇にピアス」(「すばる」11月号)で受賞。無軌道な暮らしぶりの中に、時折キラリと光る純粋な感情をとらえ、若者の生態を浮き彫りにしながら、恋人に心身ともに同化したいと願う純粋な魂が息づいています。
選考委員からは、「扱っているテーマはエキセントリックだが、今を生きる女の子の、好きな男性への思いがきちんと描かれ、今を生きる女の子の心情が伝わってくる」(村上龍さん)などと賞賛され、圧倒的な支持を受けての受賞でした。
金原さんは、小学校4年生から学校に行かなくなり、中学校にはほとんど行っていません。高校(専修学校の高等部)も1年で中退しました。「中学時代は精神科に通ったこともありますし、カッターで手首に傷をつけたこともあります。普通の青春はまったく知らない。でも自分なりに大事なものを見てきたつもりです」と振り返ります。
「芥川賞はいつかは取りたい自分の夢だった」という金原さんが小説家を目指す原点となったのは、12歳の時、法政大教授で翻訳家の父・瑞人(みずひと)さん(49)の仕事の関係で、約9か月間米・サンフランシスコで生活したこと。そこで村上龍、山田詠美氏らの初期作品を、「日本語が恋しくなり、手当たり次第に読みあさった」そうです。
金原さんがこれまで書いた作品は、長・短編あわせて30作。「私の最初の読者」(金原さん)で、「学校以外で好きなものを見つけた、極めて幸運な例だと思います」と娘の受賞を喜ぶ瑞人さんは、そのすべてを読んでアドバイスを送り、『蛇にピアス」を呼んだときには、「もっと恥ずかしいものを、親が地元に住めなくなるくらいの作品を書け」と励ましたといいます。
「子どものころから人と交われないもどかしさや生きづらさを抱えていました。そんな行き場のなさを小説で表したかった」という金原さん。「作品にはふだんの自分をありのままに出したつもり。受賞のプレッシャーはあるがそれを心地よく感じる。どの世代にも通じるものを書いていきたい」と、今後の抱負を語っていました。
■金原 ひとみ(かねはら・ひとみ)1983年8月8日、東京都板橋区生まれ。99年、文化学院高等課程中退。2003年秋、今回の受賞作「蛇にピアス」で第27回すばる文学賞を受賞してデビュー。父親は翻訳家の金原瑞人・法政大教授(岡山市出身)。東京都府中市在住。
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[2004/1/21更新]
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