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不登校問題調査研究委員会報告書

(アンケート調査を中心にして)


第3章不登校問題への対策等


1 学 校


学校は、不登校の児童生徒やその保護者の思いや願いを真摯に受け止め、教育の専門機関としての責務において、教育相談体制の充実など、学校の諸条件の整備に努めるとともに、家庭訪問等において適切に対応していく必要がある。

保護者が、学校に対して最も強く望んでいることは、「子ども悩みを受け止めてほしい」ということである。アンケートの回答者には、不登校になったわが子を前に、現実から逃れようとする苦悩に満ちた声もあり、保護者の気持ちを受け止めながら意向や状態を踏まえた対応をしていくことが重要である。

また、保護者は、子どもへの接し方、子どもの将来、学力、進学等、いろいろ思い悩んでおり、こうしたことについて、学校に助言や情報を求めたり、相談したりしたいと思っている。学校は、保護者のこのようなニーズに積極的に応えることのできる体制づくりが急務である。

ア 校内組織・研究の充実

不登校問題への効果的な対応のためには、日ごろからの好ましい集団活動を促進するような学級経営や学習指導方法の工夫改善とともに、教育相談体制が学校教育活動全体の中で有機的に機能するよう、校長のリーダーシップのもと、校内組織の見直しや校内研修の充実を図り、全教職員一体となった取組が求められている。現在、多くの学校で、教育相談担当が校務分掌に位置付けられ、不登校問題に対して一定の役割を担っている。教育相談担当者を中心とした校内ネットーワークを模索し、その充実を図る必要がある。

また、今後スクールカウンセラーの配置が拡大される見込みであり、その効果的な活用が期待される。

イ 学校での教室以外の「居場所」づくり

家庭や学校は、本来、児童生徒の「心のよりどころ」でなくてはならない。集団の一員として帰属し、心の面からも生活の中心となる場所である。「居場所」は、「よりどころ」までには至らなくても、児童生徒が安心して過ごせる空間としてとらえることができる。

教室以外の「居場所」づくりは、学校復帰への一つの過程として、保健室、教育相談室(いわゆる「心の教室」など)がその場所として利用されており、重要な役割を果たしている。今後、これらの部屋の充実とともに、余裕教室を利用するなど、教室以外の「居場所」の整備が望まれる。

また、学校行事等への参加を勧めるなど、別室登校ができやすい環境づくりが必要である。

ウ 家庭訪問など

家庭訪問については、教師に対して校内組織として、家庭、関係機関等と連携を図りながら、特に、保護者や児童生徒の意向や状態などを踏まえ、ケースバイケースで対応することが望まれる。

エ 保護者・児童生徒への情報の提供

保護者や児童生徒の状態やニーズに基づき、有用な情報を提供することが大切である。

専門機関の情報については、その業務内容も含めて日ごろから提供するよう努めることが望まれる。また、情報提供を行う場合は、適切な時期に的確な内容の提供を行う必要がある。ただし、児童生徒の状態によっては、情報を伝えることを急がない方が良い場合もあることに留意する必要がある。


2 地 域


地域は、地域ぐるみで児童生徒の健全育成を進めるという認識に立ち、その環境づくりに努めていく必要がある。

そのため、地域の人々が不登校に対する理解を深めるとともに、児童生徒や保護者の気持ちを把握し、その求めに沿った支援を進めることが重要である。

地域への要望など

同じ地域に住む人々が、不登校に対する理解を深めることが大切である。そのため、学校とも連携を取りながら、例えば、民生委員・児童委員が中心になるなどして、地域で不登校に対する理解を深める取組を進めることなどが考えられる。

また、不登校の児童生徒の保護者は、地域に対して、押し付けにつながるような声かけや活動への勧誘などはあまり求めていない。保護者同士の交流の場を設定するなど、気持ちに応える支援を行うとともに、不登校を特別のことと思わず、自然な形で接することが大切である。


3 行 政


行政は、不登校の児童生徒やその保護者の思いや願いを踏まえ、学校・家庭・地域の教育機能を高め、それぞれの取組が有機的、効果的に働くよう支援するなど、対応策を推進していく必要がある。

ア 学校への支援

学校への支援としては、教員の教育相談についての資質向上、相談員などの人材の配置、相談室など施設設備の充実などが求められている。学校は、教師が多忙で子どもとのかかわりをもつ時間が十分とれていないとの意見もあり、教員研修等の充実を図るとともに、専門的な相談員の配置を望む声もある。

研修は非常に重要であり、これによって、教員の不登校問題への理解を深め、解決に向けた努力を促すとともに、教育相談の専門家の配置や、ボランティアの活用なども工夫していく必要がある。また、不登校児童生徒への学習面での支援として、学習ソフトやインターネットなど、マルチメディアを利用することも検討していく必要がある。

イ 適応指導教室の充実、公民館の活用など

行政に対しては、適応指導教室の充実や高民間活動などを利用しての居場所づくりを望む声が多い。こうした場歩で、体験を重視した活動を行い、触れ合いを通じて、人間関係づくりに自信を持たせたり、自分から行動する力を育成したりすることが期待できる。適応指導教室については、児童生徒数の少ない郡部では他の市町村との協力体制を整えたり、都市部では、児童生徒の自由な活動の取り入れなど、指導方法の異なる複数の適応指導教室を設置して選択できるようにすることなどの工夫も望まれる。

また、相談できる専門機関の充実や、保護者同士が話し合える場の設定促進、学習を支援する方法の検討が望まれる。

ウ 情報収集・提供・その他

情報については、専門機関に関するもの、不登校児童生徒の保護者の会や、不登校の児童生徒を受け入れる民間施設に関するものなど、幅広く収集していく必要がある。

専門機関に関する情報については、内容の充実を図りながら提供の促進をしていくことが望まれる。

その他の意見については、行政がこうした声も念頭に置き、今後、様々な角度から検討をされることを期待する。

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